この季節になると、庭や空き地にぴんとまっすぐ立つネジバナをよく目にします。十五センチほどの茎にねじのように螺旋(らせん)状に花を咲かせるので、この名がつけられています。
花は鮮やかなピンク色で、とても小さいのですが、よく見ると大変優美。蟻ほどのサイズになって、この絢爛豪華な螺旋階段を上り下りしてみたいと、私はつい夢想してしまいます。
ネジバナの別名は「捩摺(もじずり)」。かつて福島の信夫(しのぶ)という地方でつくられていた、ねじり模様の染め物の名に由来しているといわれています。
この染め物については、百人一首の「みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに(訳・あなたが恋しくて、私の心も信夫の捩摺のように乱れています)」という歌でも触れられています。
残念ながらこの染め物の伝統はとうにすたれてしまいましたが、ネジバナの別名にいにしえの文化を感じることができます。
文・画 村山尚子
投稿:@広報部
5月 12 2017
この町おさんぽコラム13号”ねじばな”
この季節になると、庭や空き地にぴんとまっすぐ立つネジバナをよく目にします。十五センチほどの茎にねじのように螺旋(らせん)状に花を咲かせるので、この名がつけられています。
花は鮮やかなピンク色で、とても小さいのですが、よく見ると大変優美。蟻ほどのサイズになって、この絢爛豪華な螺旋階段を上り下りしてみたいと、私はつい夢想してしまいます。
ネジバナの別名は「捩摺(もじずり)」。かつて福島の信夫(しのぶ)という地方でつくられていた、ねじり模様の染め物の名に由来しているといわれています。
この染め物については、百人一首の「みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに(訳・あなたが恋しくて、私の心も信夫の捩摺のように乱れています)」という歌でも触れられています。
残念ながらこの染め物の伝統はとうにすたれてしまいましたが、ネジバナの別名にいにしえの文化を感じることができます。
文・画 村山尚子
投稿:@広報部
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